1. 里山は高山より易しい?

里山は高山より易しい?

濃い緑の森の中を行く

里山ならではのリスクを知る

「高い山は大変。低い山は簡単。」と思われがちですが、果たして本当にそうでしょうか?
里山には高山とは違ったリスクがあります。
現に標高数百メートルの山でも遭難は起きていますよね。
また、山菜採り、きのこ狩りで「道に迷った」「足を滑らせて身動きが取れなくなった」という事故も少なくありません。

例えば、日本アルプスなど人気の山はとにかく人が多いですが、低い山、マイナーな山は人が少ないです。
その結果「道が不明瞭」ということが少なくありません。
また「怪我をしても、誰にも見つけてもらえない」ことにもつながります。
ちなみに「里山は里に近いから、携帯電話がつながりやすい」というのも、実はそうとは限らないんです。

生き物が高山帯より多いことも忘れてはいけません。
クマ、イノシシ、毒ヘビ、スズメバチ、ムカデ、マダニ・・・、こういった生き物に遭遇するのも里山ならではです。
ヘビが大っ嫌いなある女性は、いったんヘビを見てしまうと、その後枝も根っこもすべてヘビに見えてきてしまって、足元もままなりませんでした。
こうなると景色やお花どころではなくなって、見ていて気の毒なくらいです。

自然に対して謙虚に向き合う

自然の中に足を踏み入れる場合、山の高さに関わらず「甘く見ない」という心がけが一番大切です。
低い=簡単、という思い込みが事故を招きます。
よく里山で「えっ?その荷物、何が入っているの?」と目を疑うような、ぺったんこの荷物しか持っていない人に出会います。
ペットボトルとおにぎりしか入っていないであろうその装備では、何かあった時に対応できるでしょうか?

近年の土砂災害のニュースを見ても分かる通り、自然は時に猛威を振るいます。
自然の力はとてつもなく大きく、その中では私たちはとてもちっぽけな存在です。
山に祈り、山を尊んできた先人の方たちの姿とは裏腹に、テクノロジーに染まった現代人は時に「自然を制圧している」と誤解しがちです。
自然の美しさを楽しむ一方で、決して甘く見ることなく、謙虚に向き合う姿勢が大切です。

まずは、「安全第一」です。
いつでも、どんな山でも、気を引き締めて。

(文・今井清)